SNS上で「ドバイ不動産指数が下落した」「ドバイ不動産はもう危ないのではないか」といった投稿を見かける機会が増えました。
たしかに、ドバイ不動産市場はここ数年で大きく上昇してきたため、ValuStratの不動産指数の下落というニュースだけを見ると不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、不動産指数の下落は必ずしも市場の崩壊を意味するものではありません。どの指数が、どの程度下がり、その背景に何があるのかを冷静に読み解くことです。
そこで、今回はドバイ不動産指数について解説します。
ドバイ不動産指数とは
ドバイ不動産指数とは、ドバイの不動産価格がどの方向に動いているかを示す指標です。
また、公的データや民間が出しているデータなどさまざまです。JCME GROUPは公的データを見ることを推奨しています。
SNSで話題になったのは、Bloombergの記事で報じられた 不動産評価会社ValuStratの不動産価格指数が下落したという記事です。
Dubai Land Departmentは、住宅販売価格指数を公開しており、住宅市場の価格動向を月次・四半期・年次で把握できるようにしています。
不動産価格は、立地、面積、築年数、眺望、設備、ブランド、完成済みかオフプランかによって大きく変わります。そのため、高級物件の取引が増えた時に市場全体が急騰したと見えることも。不動産指数は、そうした偏りをできるだけ補正し、市場全体の価格変化を把握するためのものです。
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2026年3月にドバイ不動産指数が5.9%下落
2026年3月、Bloomberg が記載した記事内で不動産評価会社のValuStratのドバイ不動産指数の下落したという内容がSNS上で話題になりました。
実際にドバイのValuStratがまとめる不動産指数は、2026年3月に前月比 5.9%下落 しました。これは、パンデミック以降、初めての月次下落となるものです。この下落だけを見ると「ドバイ不動産は終わったのではないか?」と感じてしまうかもしれません。
しかし、重要なのはドバイ不動産指数が6カ月前の水準に戻ったということです。つまり、2026年3月の下落は数年分の上昇を消す大暴落ではなく、短期間で上がりすぎた価格の調整を意味します。
なぜ2026年3月にドバイ不動産指数は下落したのか
2026年3月にドバイ不動産指数が下落した理由は3つあります。
価格上昇の反動
まず、ドバイ不動産価格が2020年以降、価格が上昇し過ぎたことです。

出典:Dubai Land Department を参照にJCME GROUPが作成
ドバイ不動産市場は海外投資家や長期滞在者、法人需要を取り込み、大きく上昇してきました。
短期間で価格が上がりすぎれば、買い控えが出るのは当然です。過熱した価格が一度調整された動きと見るべきです。
不動産供給の増加
住宅供給が増加したことも影響しています 。

Fitch Ratingsの見通しとして、2025年後半から2026年にかけてドバイ不動産価格が最大15%下落する可能性がある と報じています。
背景には、2025年から2026年にかけて約21万戸の住宅供給が予定されており、過去3年の供給量の約2倍となるためです。この下落が反映されたものとも捉えられます。
しかし、中東情勢で建築費用が高騰する可能性があり供給量が減るのではないかとも論じられています。
中東情勢による投資家心理の変化
地政学リスクで投資家が不動産取引を様子見していることも影響しています。

実際に米・イラン衝突後の不動産取引高は、3月は42,630,829,775AEDで、前月比30%下落しました。
しかし、4月には不動産取引高が回復しているため、今回の下落を中東情勢だけで説明するのは難しいと考えられます。
ドバイ不動産指数の下落はオワコンであることを意味するのか
SNSでドバイ不動産はオワコンという投稿を見る機会が増えましたが、オワコンではありません。
一方で 、従来のような、どの不動産を購入しても上がる市場ではなくなりました。
しかし、DLDによると取引額は増えています。
Dubai Land Departmentによると、2026年第1四半期の不動産投資額は 1,730億AED(前年同期比22%増)、投資件数は 57,744件(前年同期比7%増) でした。また、投資家数は 48,448人、新規投資家は 29,312人 とされています。
本当にオワコンであれば「不動産価格」「不動産投資額」「投資件数」「投資家数」は大きく崩れるはずです。したがって、ドバイ不動産は過熱後に冷静な投資判断が必要になった市場と考えると良いでしょう。
ドバイ不動産は買い場なのか
2026年4月29日時点で、ドバイ不動産は冷静な投資判断が必要な局面ですが、買い場とも言えます 。なぜなら、中東情勢の影響で不動産取引件数が鈍化したことを懸念し、デベロッパーが価格調整を行っているためです。割安な価格でオフプラン物件を購入できるケースも出てきています。
ただし、割安だからと物件を購入するのは禁物です。
- 「賃貸需要が見込めそうか?」
- 「マスタープランの影響を受けて土地価格が上昇しそうか?」
- 「供給過多エリアではないか?」
などを調べた上で購入することで、優良な不動産を取得しやすくなります。
出典:Dubai Media Office X公式アカウント
実際にドバイメトロゴールドライン近辺のエリアは買い場となっており、問い合わせが殺到しています 。政府も周辺不動産価格が20%上昇する可能性に言及しています 。
そのため、①各種データを確認できること、②現地情報を収集していること、この2点を満たすエージェントに相談することをおすすめします。

関連記事:『ドバイメトロ・ゴールドラインとは?2032年開通予定の新路線と不動産市場への影響を解説』
まとめ
ドバイ不動産指数は、ドバイの不動産価格の動きを把握するための重要な指標です。2026年3月には住宅価格指数が前月比で下落し、SNS上では「ドバイ不動産はオワコンではないか」と話題になりました。
しかし、今回の下落は市場全体が崩壊したというよりも、2020年以降の急激な価格上昇に対する調整と見るべきです。
不動産供給の増加や投資家心理の変化も影響していますが、取引額や投資件数、投資家数を見る限り、ドバイ不動産市場そのものが終わったとは言えません。
ドバイ不動産は、まだ投資機会のある市場です。ただし、正確なデータと現地情報をもとに、冷静に物件を選ぶことが大切です。
もし、ドバイ不動産についてご不明点がございましたら、JCME GROUPまでお気軽にご相談ください。


