ドバイはタックスヘイブンの無税の国として知られています。無税の国のドバイに移住したいと思ったときに、「なぜ、所得税や住民税など負担がないのだろう…?」と疑問に思うことでしょう。
これらが理解できれば、国民が暮らしやすいように政府が取り組んでいることが分かり、安心して移住できることでしょう。
今回は、無税の国ドバイへ移住するメリットと行政機関の財源はどこから来ているのかを詳しく解説します。ぜひ、無税の国ドバイへの移住を検討している方は、参考にしてみてください。
無税の国ドバイに住むメリット
まずは、簡単に無税の国のドバイに移住するメリットをご紹介します。
所得税・住民税を支払わずに済む
ドバイに移住をすれば、所得税や住民税を支払う必要がありません。そのため、同じ収入を得ても手元に残る額が増えます。どのぐらいの税軽減ができるのか、年収別に比較したものを作成したのでご確認ください。
年収 | 税金 |
300万円 | 約17万円 |
500万円 | 約38万円 |
700万円 | 約67万円 |
1,000万円 | 約145万円 |
1,200万円 | 約210万円 |
確定申告の手続きが不要
ドバイは、住民税や所得税が非課税だと説明しました。そのため、確定申告の手続きが不要です。国内では確定申告の手続きをする必要があり節税対策や税務署の厳しい審査に通過するように細かく収入を計算しなければいけません。このような苦労から解放されることもドバイ移住のメリットです。
法人税が9%と低い
ドバイでも2023年度から法人税が課せられることが発表されました。しかし、法人税は9%と他国と比較しても低いです。
中小企業庁「令和2年中小企業実態基本調査速報」によると、日本の中小企業の経常利益は約722万円。日本の法人税の実行税率は29.74%のため、約214万円が法人税として課税されることになります。
しかし、ドバイで法人設立すれば、約65万円で済むので、149万円ほど手元資金が残せます。
無税の国ドバイの財源とは
無税の国ドバイに移住すると、所得税や住民税を支払わずにすみます。また、確定申告の手続きが必要ないため、税金について考えずに済みます。
しかし、行政機関は税金がなければ運営できません。行政機関は何を財源にしているのでしょうか?無税の国ドバイの財源の仕組みについて理解をしておきましょう。
関税:5%
ドバイの財源の1つが5%の関税です。関税とは物品を輸出入する者が輸出入の国に対して支払う税金です。
他国からの物品を輸入する際に税金を支払わなければ、その国の特有の産業が衰退してしまう恐れがあります。このような問題が発生しないように関税が設けられています。
ドバイは世界のハブの役割を担っており、2018年のドバイ貿易額は約37兆6,887億円を記録しました。
世界貿易が減速する中で、世界のハブの役割を担うドバイ貿易額は高い水準を記録しており、5%の関税がドバイの主な関税となっています。
飲食料・宿泊料:10%
ドバイの財源の2つ目が10%の飲食料・宿泊料です。
ドバイは世界No.1を誇る建造物を続々と建てており、世界中の人を魅了しています。そのため、世界各地の人々が来訪しています。ジェトロの調査結果によると、2021年海外からドバイへの宿泊を伴う来訪者数が728万人でした。
新型コロナウイルスの影響により、来訪者は減少していますが、日本の訪日外国人旅行者数は24万5,900万人と高い水準を記録しています。
多くの来訪者の飲食料や宿泊料に10%の手数料を上乗せしており、これらが無税の国のドバイの財源になっています。
法人手数料:約100万円
ドバイの財源の3つ目が法人手数料です。2022年時点では、ドバイは法人税は非課税です。
しかし、法人税とは別途で法人経営するための手数料が必要になります。
手数料として1年間に1回、約100万円を支払わなければいけません。この手数料がドバイの主な財源になっています。
無税の国ドバイの財源対策
無税の国ドバイは税源を確保するために、貿易活性化と来訪者数の増加を狙い、以下のような対策を行いました。
1985年 | ドバイ本拠地にエミレーツ航空を設立
世界とドバイを結ぶハブ空港として重要な役割を担う |
1990年 | ドバイ来訪者が増えるように世界一を目指す都市開発プロジェクトを開始 |
1999年 | 7つ星ホテル「バージュ・アル・アラブ」をオープン |
2001年 | パーム・ジュメイラの建設 |
2009年 | 世界最長の無人鉄道ドバイ・メトロを解説 |
2010年 | 世界一の超高層ビルバージュ・カリファをオープン |
このような対策をして、多くの観光客の誘致に成功しました。
また、世界一を記録する都市開発のプロジェクトは壮大で世界各地で夢を抱く投資家から資金調達することにも成功しています。
[最新版]ドバイも課税するとして法改正を発表
無税の国ドバイは「国税」「飲食料・宿泊料」「法人手数料」を財源としていました。しかし、財源強化のため、ドバイも課税するとして法改正を発表し大きな話題を集めています。
2018年:VAT導入
VAT(5%)とは日本の消費税に近いものを指します。VATの課税対象と非課税対象は以下の通りです。
課税の対象 | 不課税の対象 |
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2022年:法人税
ドバイでは2023年度から法人税9%が課税されることが決まりました。法人税の課税対象となるのは、年間所得1,163万円を超える国内企業で、それ以下の小規模事業者は対象外となります。
他国の法人税率と比較すれば低い税率ですが、財源強化のために徴収されることが決まりました。
まとめ:無税の国ドバイは各種手数料が財源である
ドバイはタックスヘイブンの国として知られています。
行政機関の財源は関税や観光税などから取得しているため、国民は豊かに暮らすことができるのです。世界一の建物や鉄道など都市開発をしており、世界に夢を与えて支持を得、そこから財源を得ています。
残念ながら2023年度から法人税が9%課税されることになりましたが、それでも、ドバイ移住は魅力に感じるはずです。ぜひ、ドバイへの移住をご検討の方は「JCMC」までお気軽にご相談ください。