ドバイの不動産の販売件数と賃貸契約数を調査。市場動向から物件に投資をする理由を探る

ドバイ政府の不動産市場動向データ「MO’ASHER」を参考に、物件の販売件数や取引額、賃貸契約件数などを紹介します。本記事を読むと、不動産投資をする理由やニーズのあるエリアがわかります。ドバイで不動産投資を検討されている方は、本記事の情報を購入時の判断材料にしてください。

ドバイの不動産販売パフォーマンス指標

ドバイの不動産の「取引件数」と「取引額」「完成物件と未完成物件の販売数の比率」を紹介します。

取引件数の推移

不動産の販売・取引件数の推移

2021年1月以降、ドバイの不動産の取引件数は増加傾向です。2021年1月に3,300件/月だった販売数は、2022年1月には5,797件/月に増加(174%)しました。2023年2月の販売数は9,020件/月です。2022年1月に比べて3223件/月(155%)増加しました。

2021年1月から2023年2月までの成長率は273%です。2022年11月の不動産の販売数がもっとも多く、その件数は10,941件/月です。上記のデータより、ドバイで不動産や資産家が増えていることが推測できるでしょう。

取引額の推移

不動産の販売額・取引額の推移

不動産の販売件数の増加に比例して、取引額も増えています。2021年1月に67億4,000万AED(約2,756億円)だった取引額は、2022年1月に166億9,000万AED(約6,826億円)に伸びました。その成長率は1年間で248%です。

また、最新のデータである2023年2月の取引額は267億AED(約1兆920億円)です。2021年1月(約2,756億円)に比べて取引額が約4倍になりました。なお、2022年11月には、取引額が過去最高の304億9,000万AED(約1兆2,471億円)を記録しています。
※1AED=40.90250JPYで計算(2023年10月31日時点)

完成物件と未完成物件の販売数の比率

完成物件と未完成物件の販売数の比率

ドバイの完成物件と未完成物件の販売数を比べると、完成物件のほうが販売数が多いです。ただし、その比率は未完成物件が徐々に大きくなりつつあります。その要因としては、不動産の建設ラッシュにより、未完成物件を購入する資産家が増えていると推測が可能です。未完成物件は「オフプラン」と呼ばれています。

未完成物件の特徴は、分割支払いができること、完成前に売却できることです。ドバイでは都市計画「ドバイ都市マスタープラン2040」により、不動産の価値が高騰しています。たとえば、2020年に7,000万円だった未完成物件が、2023年に1億円の価値になるケースがあります。結果、少ない資金で不動産を購入し、価値が高まったタイミングで売却することが可能です。
参考:Dubai 2040 | Urban Master Plan

ドバイの不動産賃貸パフォーマンス指標

ドバイの不動産の「賃貸契約件数」と「新規契約数と契約更新数の比率」「年間契約数と短期契約数の比率」を解説します。

賃貸契約数の推移

賃貸契約数の推移

2022年の賃貸契約件数は、1ヶ月あたり平均46,686件です。賃貸契約の時期は10月が53,756件でもっとも多く、5月が35,327件でもっとも少ない。2022年の賃貸契約の総数は560,227件です。

新規契約と契約更新の比率

新規契約と契約更新の比率

不動産賃貸の新規契約と契約更新の割合は、新規契約のほうが大きいです。もっとも新規契約の割合が大きいのが、2022年6月の63.20%です。新規契約の割合が大きい理由としては、ドバイの人口が増加し続けていることが挙げられます。

ドバイ政府によると、2022年1月に約341万人だった人口は、2022年12月に約355万人に増えました。また、2023年10月時点の人口は約363万人です。2040年には580万人(+217万人)になるとされています。移住者が増加しているため、新規契約の割合が多いのだと考えられます。
参考:Dubai Statistics Center
関連記事:ドバイの人口は約363万人。ドバイの人口推移が右肩上がりな理由

年間契約と短期契約の比率

年間契約と短期契約の比率

賃貸物件の年間契約と短期契約(1年未満)の割合は、およそ8.3:1.7です。約8割が年間契約をしています。年間契約数がもっとも多い月は、2022年12月(89.34%)です。ドバイの賃貸は1年契約が一般的。賃料を毎月支払うのではなく、契約時に12ヶ月分の家賃を支払います。

不動産オーナーは、一度契約が決まると1年間分の収益を事前に得られます。賃料1年分前払いのため、1年未満での契約解除も発生しにくいでしょう。空室リスクを避けながら、安定した不動産経営を実施できます。

賃貸契約の目的の比率

賃貸契約の目的の比率

賃貸契約の目的は住居用と商業用にわけられます。毎月、住居用として70%ほど、商業用として30%ほどの物件が契約されています。たとえば、2022年10月には計53,756件の契約があり、そのうち37,629件は住居用として貸し出されました。

また、2022年2月には、住宅用の賃貸契約の割合が75%になりました。この数値は2022年で最大です。同月には48,885件の賃貸契約があったので、住居用物件が36,663件も貸し出されたことになります。ドバイで不動産賃貸業をするならば、住居用の物件を取得するのがよいでしょう。

2022年の賃貸取引エリアトップ5

2022年の賃貸取引エリアトップ5

2022年の賃貸取引件数の多いエリアトップ5は「Jabal Ali First(31,708件)」と「Al Warsan First(28,523件)」「Business Bay(25,949件)」「Marsa Dubai(22,390件)」「Al Barsha South Fourth(22,209件)」です。

以下は「MO’ASHER」で公開されている2022年12月の賃貸契約数の多いエリアです。2022年の賃貸取引エリアトップ5の場所が掲載されています。不動産投資エリアを検討されている方はご活用ください。MO’ASHER| TOP AREAS FOR RENTAL TRANSACTIONS DECEMBER 2022出典:MO’ASHER| TOP AREAS FOR RENTAL TRANSACTIONS DECEMBER 2022

関連記事:ドバイの不動産投資エリアはどこがおすすめ?6つの地区の特徴を解説

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