
富裕層がUAEに移住しているとニュースで聞く機会が増えました。
実際に、さまざまな国籍の方がUAEに移住してきています。7つの首長国の中でもドバイが人気ですが、なぜUAEに移住する人が増えているのでしょうか?
今回は富裕層がUAEに移住する理由について解説します。最近では、日本の方も移住してきているため、みなさまのお役に立てれば幸いです。
富裕層がUAEに移住
資産1億円以上を保有する富裕層が、UAE(アラブ首長国連邦)に移住していることをご存知ですか?
ロンドンの資産運用コンサルティング会社Henley & Partners「The UAE: A Strategic Haven for High-Net-Worth Families」でも報告されているように、2024年度に約6,700人の富裕層が移住してきました。2025年には9,800人の富裕層が移住すると予想されています。
移住先として2番目に人気であるアメリカへ移住する富裕層は約3,800人のため約2倍。インドやロシア、アフリカ、イギリス、中国の富裕層がUAEへ移住してきています。芸能界で人気を博した人たちのドバイ移住も話題です。
UAEとは
UAE(アラブ首長国連邦)はアラビア半島、ペルシア湾岸に位置する連邦制国家(中央政府と首長国が独自の権限を持っていること)で、7つの首長国で構成されています。
アブダビ | ・UAEの首都
・石油産出国 ・世界有数の政府系ファンドも存在 ・近代的な都市景観とアラブの伝統が融合 |
ドバイ | ・石油依存から脱却
・多文化的な雰囲気が特徴 ・国際的な金融・商業都市 ・世界的に有名な観光名所が多い |
シャルジャ | ・博物館や文化施設、高等教育機関が集結している
・イスラムの戒律が厳格に適用されている ・ドバイに隣接しており、比較的物価が安いためベッドタウンとしての役割も果たす |
アジュマーン | ・UAEで最も小さい首長国
・造船業が盛ん |
ウンム・アル=カイワイン | ・人口が最も少ない
・漁業が盛ん |
ラス・アル=ハイマ | ・砂漠、ビーチ、山岳地帯など自然が豊か
・観光地となっている ・カジノリゾートの開業計画があり、注目を浴びている |
フジャイラ | ・インド洋(オマーン湾)に面している
・セメントや石材などの鉱物資源を産出 |
>>【関連記事】ドバイはどこにあるの?国なのか?ドバイの場所や日本との距離を解説
富裕層がUAEに移住する理由
UAEの中でも、アブダビまたはドバイへの移住者が増えています。富裕層が移住する理由は、主に5つです。
資産保全に有利な税制
UAEに生活拠点(住居)を移せば、個人の資産や所得に対して税金がかかりません。「所得税」「相続税」「贈与税」「固定資産税」が0%です。
日本では税金や社会保険料の負担が上昇傾向にあり、何かと話題になりますが、ドバイでは個人の資産や所得に対して税金がかかりません。
日本 | UAE | |
所得税 | 5%~45% | 0% |
相続税 | 10%~55% | 0% |
贈与税 | 10%~55% | 0% |
固定資産税 | 基本税率:1.4% | 0% |
補足:銀行の定期金利が高い
UAEの銀行金利は米連邦準備制度(FRB)の政策金利に追随して変動しますが、日本と比較すると定期金利が高いです。銀行や預入期間によって異なりますが、
2025年9月時点で、ドバイ・イスラム銀行(DIB)が最大3.95%、エミレーツNBD銀行が最大3.65%を提示しています。
ドバイ・イスラム銀行(DIB)はプロモーション時、期間限定ですが最大6.5%を提示したこともあります。
治安の良さ
国際的データベースNumbeoが発表した世界安全指数「最も安全な都市トップ2025」で、アブダビが1位(安全指数88.8)、ドバイが3位(安全指数83.9)、シャルジャが4位(安全指数83.7)を受賞しています。
アブダビ警察は安全確保のために監視システムファルコン・アイを導入しています。
監視カメラからの映像をリアルタイムで集約し、一元管理しており、事件や事故への対応、対策に活用しているのです。
また、犯罪の温床となりやすい要因(貧困や失業)の政策にも取り組んでおりスラム街が存在しません。
1人当たりのGDPが高く経済成長も見込めるなど、生活基盤を安定させることで、治安の良さを維持しています。
200以上の国籍の人々が暮らす多文化社会
UAEの総人口の約90%が外国人です。UAEの国籍を持つ人(エミラティ)は10%しかいません。
インド人やパキスタン人、ロシア人、中国人、イギリス人など200以上の国籍の人々が暮らす多文化社会です。
さまざまな国の人が住んでいるため、差別などはありません。相手を理解する人が多く住みやすいです。さまざまな人と交流を通じて、異文化への理解が深まります。
子育て環境(教育)への投資
UAEは石油依存の経済から脱却を目指す国家戦略の一環として、教育分野への投資を進めています。連邦予算の約15%が教育関連に充てられています。
例えば、ドバイ・アメリカ大学 (AUD)は、米国のペンシルベニア大学と提携して医学部を開設。世界トップクラスの学習ができる環境を提供しています。
また、先進技術を取り入れており義務教育ではAIが必須科目となりました。STEAM教育を提供するコーディングスクール「42 Abu Dhabi」は、教授陣を廃止し、ゲーム感覚のピアツーピアモデルを採用し話題を集めています。子育て環境が整っているため、子育てを目当てに移住される方もいます。
ビジネスも観光も充実
アブダビの都心部やドバイは、石油依存から脱却を目指し金融・商業都市となりました。外資企業を積極的に誘致しており、さまざまな企業がUAEに集まってきています。
直近では、中東初のディズニー・テーマパーク建設が発表されましたが、求人も沢山あります。そのため、仕事を探せば見つかることでしょう。また、観光地でもあるため、プライベートも充実させられます。
富裕層がUAEに移住するニュースに関してよくある質問
富裕層がUAEに移住するニュースに関してよくある質問に回答します。
Q.UAEは物価が高くて暮らしにくいのではないでしょうか?
UAEの物価は日本と比較すると1.3~1.5倍高いです。
とくに、ドバイの中心地であるダウンタウン・ドバイやパームジュメイラの物価は高いです。わかりやすく説明すると、これらのエリアではコカコーラが300円程度です。
しかし、中心地ではなく郊外に行けば、コカコーラが100円で購入できます。外食も割高ですが自炊する方法もあり、ECサイト「summit」を利用すれば、日本の食材や調味料を購入して自炊することも可能です。
Q.UAEの移住で注意すべきことはありますか?
UAEの移住で覚悟しておいてほしいことは気温です。
11月~3月までは20~30度と涼しく過ごすことができます。
しかし、4~10月は気温が上がり、最高気温が50度近くになることもあり、過ごしづらいです。そのため、建物内で生活や娯楽を楽しめるようになっています。この頃にUAEに訪問すると、あまりの暑さに驚く方もいらっしゃいます。
まとめ
富裕層がUAEに移住する理由は5つあります。
- 資産保全に有利な税制
- 治安の良さ
- 200以上の国籍の人々が暮らす多文化社会
- 子育て環境(教育)への投資
- ビジネスも観光も充実
ドバイはマスタープランで人口も増加しているため、経済発展していることで人気を博しています。もしUAEへの移住を検討しており、気になることがあればJCME GROUPにご連絡ください。